思考実験:引戸クローザ(4)
2009/06/25(木):2009年5月
4. 1年後に 思わぬ結果!
ゴミ置場引戸クローザの 動作状態を 時々 観察していると、どうも 状態が 変化している。
○2008年11月ころ:エアシリンダが 伸びきり状態から 縮み始める 時の 初期制動時点で 駆動力と 制動力が 釣り合って 一瞬 引戸速度が 停止する。そのあと、3秒かかって ゆっくり とじる。
几帳面な人は 自分で 引戸を 引いて 閉じている。
○2009年1月ころ:エアシリンダが 縮み始める初期制動時点で 釣り合ったまま、停止してしまう場合がある。
引戸の開け幅が 小さく、ちょうど エアシリンダが伸びきりの状態で 手を放すと 釣り合う ことが ある。
引戸を おおきく開いてから 手を放すと、引戸が 戻る 速度も 上り、エアシリンダの縮み始めに つよく ぶつかる。これだと 釣り合いが 早めに 終り ゆっくり とじる。
また、気象条件にもよるのか 開け幅が 小さくても ゆっくり とじる 日が 多い。
○2009年3月ころ:1か所の 引戸で 閉じきらない 状態が 頻発する ことが わかった。
引戸クローザの耐用回数が 20万回、ワイヤ駆動装置は 古いまま。やはり 駆動装置も あわせて 交換すべきだったか?
そこで、ワイヤ駆動装置を 取替修理する ことにした。会計年度が 次年度処理になるのだが、まず 1か所だけ 工事発注することの 承認を とった。
○2009年5月:新品の ワイヤ駆動装置に 交換して、引戸クローザ動作を 確認。「えっ?!」と 若い 顔なじみになった 職人さんと 同時に 声が 重なった。一瞬 目を疑った。
○引戸が 閉まりかけて、エアシリンダが 縮み始める初期制動時点で 釣り合ったまま、停止する ではないか!
「駆動力を 強くして!」「5、6ステップ 強めに しました。・・・ダメですね!」
○「あ、スペーサを 外して みよう!」と 思いついた。
エアシリンダを 水平化するために 昨年8月の 制動装置取替工事の際に 仕掛けた ゴム製の接着剤付きの パッドだ。3mm厚のものを 2枚貼りつけて 完全に 水平化した。
○「1枚だけに しました」 それで 試すと、初期制動で 引戸の速度が 吸収される、ゆっくり しまる。
閉った後、わずかだが バウンドする。(このバウンドが嫌いなのだ。しかし、許容範囲ではある)
○解決方法は これしかない。と 判断した。
○他の 引戸クローザの エアシリンダ頭部の スペーサ枚数を 「1枚化」するように 確認。
それで 各引戸を 試すと、初期制動で 引戸の速度が 吸収される、ゆっくり しまる。
閉った後、わずかだが バウンドする。解決方法は これしかなさそうだ。
この解決方法とは 一体 どういうことか?
○エアシリンダ長:70cm、基底部を支点固定されているが、横置きの筒身・頭部は 上下に遊びがある。
○概略的に 表現すると、筒身が 水平でなく 頭部が下向きであることの 制動機能への 影響は、
↓下向き具合:(スペーサ有無で)−−−−↓初期制動状態:−−↓以降の制動状態:−↓閉じる状態:
−6mm(スペーサ無し:結構下がる)−−空気の逃げが多い−−制動残り範囲が少−−バウンドが大
−3mm(スペーサ1枚:少し下がる)−−空気の逃げあり−−−制動残り範囲が最適−バウンドが小
0mm(スペーサ2枚:ほぼ水平)−−−空気の逃げが少ない−制動残り範囲が大−−閉じきらない
という 風に 解釈できる。エアシリンダ内部の 空気の動的な変化がある のではないだろうか。
○エアシリンダは 縮み始めの 初期制動状態のとき、若干の 空気の逃げ(逃げつつ引戸速度を吸収する)が 必要なのだ という こと。今回 はじめて 上の比較図式を 作成・整理してみたら、なかなか 説明しやすい ものと 感じた。
○工事当日では、「スペーサ1枚化」した時の 制動状態を みて、これしか 解決方法は ないと 直感した。
なぜなら エアシリンダの 制動開始から 制動終了までの こまかな 動きを ポイントごとに 調整する 手段がない 以上、ほかに 選択肢が ないからだ。
○それにしても、昨年8月の 最初の工事で 思いついた「エアシリンダの水平化」対策が こんな 形で 実を結ぶとは まったくの 想定外だった。
○さて、また これから 5年後 引戸クローザは どんな 制動状態を 続けて 耐用回数を 迎えるのだろうか?