2.1.1 【動詞活用の方程式】
 次に、動詞の活用を方程式で表示してみよう。
【動詞活用の方程式】:動詞活用には活用接辞を接続する。



動詞活用方程式=「【動詞語幹+挿入音素】+活用接辞」が基本だが、
 次項に示すように助動詞を含めて文章作成することが多い。
・学校文法では動詞活用のなかに、態接辞も助動接辞も同列に接続するような方法
 で説明する。
・しかし、動詞活用の方程式(表)で示すように、「挿入音素」と「活用接辞」の組み合
 せが意外な構造になっている。
 未然、連用の段には、「活用接辞」が存在せず、つながるとしたら「助動接辞」とつ
 ながるのだと分かる。この段では子音語幹で「挿入音素」の「あ」、「い」音が子音始
 まりの「助動接辞」:「ない」と、「ます」につながっている。
 終止〜命令、意向の段には、母音始まりの「活用接辞」があるので、母音語幹で「挿
 入音素」:「r」が挟まるが、最後の意向段では[r→y]交替がある。
 (おいでやす、おたべやす、の[y]asu、[y]arooだろうか)

【将来の国語辞典の表記法】
 なお、将来には「動詞活用一覧表」の形式は例示した「方程式表」様式に更新してい
くといいですね。
日本語学問分野でも「ローマ字つづり音素解析」で得られた成果が一般的に知られ
ているのは、動詞の子音語幹、母音語幹の識別くらいでしょうか。
〇国語辞典に新しい表記法を導入するとしたら、ローマ字つづりの効用を生かせる
 か。
見出し語:あるk・う、たべ・r・う、み・r・う、おき・r・う、やすm・う、はしr・う、
 k・うる、s・うる、
活用すると:あるk・あ・ない、あるk・い・たい、あるk・えば、あるk・える、
 たべ・ない、たべ・たい、たべ・r・えば、たべ・r・える、
 あるk・い・たがる、たべ・たがる、たべ・て、読ん・で、飛ん・で、(音便説明必要)
〇語幹語尾子音のローマ字がなんとも目立ちますが、3項方程式の形式がそのまま
 投影されているので、学習手法としてお薦めです。
 少なくとも、国語辞典の付録解説として掲載するならば、定着も早いかもしれな
 い。


***