日本語文の構図:盆栽型から熊手型へ
2012/04/22(日)、23(月)
○「日本語に主語はいらない」講談社選書メチエ:金谷武洋:とか、
○「日本語文法の謎を解く」ちくま新書:金谷武洋:のなかに素晴らしい研究成果が述べられてある。
その内容の中から文構造の部分をわたし流に哲学練習しました。
(1)日本語文は盆栽型構造:
まず、両書籍の研究成果を要約すると、
○欧米諸語では、主語+述語+補語(ツリー型構造)の文型が基本。
○日本語文では、補語(主語不問)+述語(盆栽型構造)が基本。
○日本語では、修飾語句を先行配置する基礎的な文法がありますので、補語+補語+述語→補語+補語+述語のような構造が普通に使われます。
補語自身が盆栽型の文で修飾されて次の述語の補語となるわけです。
○原著では、基本文型の構造説明が主体であり、文章のなかで関係詞句(修飾語句)になることの説明が多くは語られていません。
(2)「単文構造」と「複文構造」
わたしが提案したい項目は、二つあります。
①盆栽型文形は、「単文構造」で言い切る文章を説明するのに便利です。
②日本語の場合、関係(代名)詞句などを使わず、直接、盆栽文で後続の補語を修飾する使い方で「複文構造」を作り出します。
③ですから「単文構造」でも「複文構造」でも共通に想像できる「型名称」を見つけたい。
④「熊手型」や「干草フォーク型」のような「後につなげるための把手のある串刺し構造」に思案が向いています。
仮称「熊手型」としておきます。
(3)「単語の役割を接尾記号」で表現すると文章構成がはっきりする:
もう一つは
⑤文章中の単語に「接尾記号」を付加して「文章の構成」を説明できるようにすること。
現在の思考案:
・主題記号◎ :「〜は」に◎を付ける。
・補語記号+ :「〜が、〜に、など」に+を付ける。
・完結述語記号○ :「〜ある。〜する。(終止形の述語)」に○を付ける。
・修飾述語記号→ :「〜ある、〜する(連体形の述語)」に→を付ける。
・連続述語(・文)記号〜 :「書いては〜消し〜など(連用形の述語、文)の連続」に〜を付ける。
(4)接尾記号の使い方:
実際の文章例で接尾記号の使い方を確認してください。
①譲治が+家で+パンを+焼いている。○
②警察官は◎必死で+逃げる→万引犯を+追いかけた。○
③太郎は◎こどもたちに+いじめられている→亀を+救けました。○
④太郎は◎かめが+こどもたちに+いじめられている→のを+みて〜いそいで〜救けました。○
⑤きのう+図書館から+借りて〜来た→この本は◎タイトルに+惹かれた→ん+だよ。○ すぐ+読んだが〜面白かった。○
⑥「北海道から+母が+来た→ん+です。○」
「接尾記号の+方法」は◎思いついた→ばかり+です。○
記号の選択や+種類などに+ついて〜使い込んで〜検証する→必要が+あるでしょう。○
2012/04/25(水)
日本語文の構造を接尾記号で分析してみる:
自分で+文章を+書いて〜、接尾記号が+適切か+どうかを+検証する。○
・上記「書いて〜」の用例に+問題ありか?○
・「単文構造」が+単純に+コンマつなぎで(述語でない?)+並べられる→文構造の場合でも+「〜記号」を+使用して〜表現できる。○
・とすると〜、「〜記号」の定義は◎連続述語記号でなく+連続述語・文記号と+位置づける→方が+よい。○
2012/04/26(木)
『すっきり!わかりやすい!文章が書ける』:すばる舎:高橋俊一
この本を+本屋の書架で+ちらっと+見掛けた→のだが〜、装丁表紙の一文を+見て〜考えはじめた。○
「警察官は必死になって逃げる万引き犯を追いかけた」という文章に、・必死になったのは、警察官?、それとも万引き犯?ですか。という質問がついてある。
「必死になって追いかけた」ではなく、「必死になって逃げる」だから万引き犯でしょう。
答えは簡単なのだが、別のところに注意が向いて、「逃げる万引き犯」という文章構造のことを考えはじめたのです。
①警察官は◎必死に+なって〜逃げる→万引き犯を+追いかけた。○
②警察官は◎万引き犯が+必死に+なって〜逃げる→のを+追いかけた。○
③踊る→阿呆に+、見る→阿呆+、同じ+阿呆なら〜、踊らにゃ〜損〜損。○
この③のように〜、短く+対比的な+補語を+並べ〜合せると〜、視点が+均等に+振り向けられて〜、平衡感覚が+高まる。○
また、①「逃げる万引き犯」と+聞くと〜、万引き犯が+逃げ切って〜しまう〜ようにも+感じてしまう。○
②「逃げる→のを」と+表現すると〜、印象として+「逃げるのを〜」と+単文構造に+見せかける→効果が+ありそうだ。○