1号機の海水注入を55分間中断
共同通信
2011年5月20日(金)21時28分配信 共同通信 

 地震翌朝に燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きたとみられる福島第1原発1号機で、政府が公表した3月12日の海水注入開始時刻の前に東京電力は注入を開始、政府の指示で55分間注入を停止していたことが20日、分かった。海水注入の遅れで被害が拡大したとの批判があり、専門家は「海水注入を続けるべきだった」と指摘している。政府の対策本部の資料では、海水注入の開始時刻は3月12日午後8時20分としていた。だが、東電が5月16日に公表した資料では、午後7時4分に海水注水を開始し、同25分に停止、午後8時20分に海水とホウ酸による注水開始、と記載されている。政府筋によると、午後7時すぎの海水の注入は現場の判断のみで開始。原子力安全委員会への問い合わせで海水注入で再臨界が起こる恐れがあることが判明したとして、菅直人首相がいったん注水を止めさせたという。