2011/10/10(月)
経営資源を組織化→社会資源・万有資源

 万有資源を物理法則の「万有引力」のアナロジー、類似性にたとえました。
もう少しくわしく考えてみましょう。

 企業の経営資源:「ひと、もの、かね」は重要な要素で、物理学的に説明すれば「物質の根源=原子」を形作る「電子、陽子、中性子」になぞらえてもよいだろう。
原子が根源的に重要なものであるが、それだけを単独に考えていても先に進まない。
原子が組織化されて元素・分子になり、分子が組織化されて物質・化合物になっていく。 さまざまな物理的物体をつくりだす。
(組織化:物理学では粒子間に働くいろいろな結合力のこと)
そうなってはじめて人間にも見えてくる。 企業の活動も同様に有意的に組織化されてはじめて社会的に認知される。

 物質が組織化されて太陽系になり、銀河系になり、宇宙になる。
企業の経営資源が組織化されてはじめて社会的に認知されるという表現には若干飛躍があるので、企業活動が社会に影響を及ぼし
はじめるとの意味でもよい。
社会に影響を及ぼしはじめると、企業資源が社会資源としても機能しはじめたことになる。
社会資源が多数寄り集まれば、国家資源となり、万有資源とみなせるだろう。
いずれにしろ、企業の経営資源という「原始の段階」にとどめておく発想ではなく、万有資源としての発想が求められる時代だろう。
単に「情報」、「知的財産権」、、、などの項目を経営資源3要素に追加していくことではないだろう。

 万有資源:「人・物・金・組織」の発想で、社会問題を眺めてみると新しい切口で議論・工夫を呼び起せる。
たとえば、福島第一原発事故の原因調査では、現在までに「万有資源」をどう配置してきたかの検証や、
今後の事故被害救済策に「万有資源」をどう手当てして実現するかなどに役立つだろう。
わたし自身がリタイアして個立しているが、2、3年前に管理組合理事や大規模修繕委員を経験したとき
「組織」のあり方を考えさせられた。 小さな組織の万有資源だから見通しよく把握できたのだろう。
万有資源のなかの「人・組織」はダイナミックなもので、叡智もあるが、怠慢もあり、保身もあり、組織エゴもありありです。 
政治的な問題ですが、原子力発電の進展にしても万有資源の使い方に大きな疑問があったはずです。
そういう側面も考慮して、万有資源=「(人・物・金・組織)×いかに工夫するか」という視点で把握するのがよい。

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