2011/11/19(土)
 現役世代に「組織ボケ」が蔓延し!?
 正直に記すと、そもそも今回の哲学練習帖が始まったのは、2、3年前に団地管理組合理事や大規模修繕委員会を経験したことで、つよく感じた事例がもとになっている。
特に大規模修繕工事実行のための万有資源:(管理組合、修繕委員会、建築設計・施工監理社、元請施工業者、多種下請業者などの「組織」)が活動する場面での経験は、リタイアして組織活動から離れた当方がひさしぶりに「組織」を考える機会になった。

見上げるほど高い位置に掲示板:
 建物本体の修繕工事については、各専門業者が請負仕事として順調に工程を組んで完成させた。
問題は追加的な外構周りの工事で数件の不満足結果が生じた。
そのうちの1つ、拡大掲示板取付工事で、掲示板が異様に高い位置に取りつけられた。
踏台がないと掲示板上部に貼り出しできず、また掲示文を読むにも文字が高すぎて見えにくい。
文字どおり昔の高札だという風情だった。 
こんな工事をした理由は、以前の掲示板下端にはちょうど照明用壁スイッチ板があったので、拡大掲示板も同様に下端部を壁スイッチ板の上位置にして取付てしまったからだ。
●当初からつまずき:
 他の号棟の掲示板の半分程度しかなかったので、同等大の掲示板に取り替える工事を修繕委に提案し、同意が取れた。 その時期が施工業者公募直前で正式仕様書ができたあとだった。 建築設計社に追加資料として作成依頼したが、実際に資料もできず、工事開始後にも施工業者に何も伝わっておらず、こちらの指摘でようやく工事事項に取り上げられた。
○下請デザイン社の図面:(元請業者がデザイン図面だけを依頼した?)
 工事用図面で拡大掲示板の取付指定は大人視線の高さ推定から、中央部が1.5mと(正常)高さ指示あり。
 この図面がありながら、元請業者と下請業者とのやりとりで図面無視が如何になされたのか?
 この工程段階での両業者の「現場を見る目」が如何なる状態だったのか、検証したいものだ。
●手直し工事:
 当然ながら照明用壁スイッチ板を横に移動させて、拡大掲示板の中央高さを1.5mに手直しさせた。
 しかし、手直し前には、
 元請業者:壁が石材タイルだし、配電管も移動させる工事になるので相当の追加が、、、
 施工監理:次善案として、掲示板を下げて、スイッチが当る掲示板部分に穴を開けることでも、、、
などという。 なんだか、そろいもそろって悪質リフォーム業者なみの「組織ボケ」をかましてくれた。

 この件は万有資源:「建築設計・施工監理社、元請施工業者、多種下請業者」の職業組織の現役世代の人間がそろいもそろって「してはならない禁じ手技」のすべて、(説明を嫌い)(何度か確認しても)(現場を見ずに)(工程各段で)(論理を捨てて)の全部の場面で禁じ手技を繰り出しての多重「組織ボケ」だったと思う。
組織の現役世代のなかに、「ものこと」「組織相互」に対する「意匠デザイン」、「機能デザイン」の両面を考える訓練ができていないようです。 「いかに工夫するか」のこころも現役世代にはなくなってしまったのだろうか。
現役世代は自分の組織の得意分野にしか注目せず、「共同責任」という「機能デザイン」にまで意識が回らないのだろうか。
また、この件で関係業者の現役世代から「釈明や言訳、失敗、謝辞」の一言もないから、何の教訓にもならなかった。 

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