原発の安全指針改訂へ=「明らかな間違い」—原子力安全委
時事通信
2011年5月20日(金)0時30分配信 時事通信 

 福島第1原発事故で、原子力安全委員会の班目春樹委員長は19日、臨時会議の後の記者会見で、長時間の電源喪失を想定していなかった原発の安全設計審査指針について、「(これまでの指針は)明らかな間違いだった。しっかり直した上で、多重防護の指針を要求したい」と改訂を明言した。
 安全委は原発を建設する際の安全設計審査指針や耐震設計審査指針などを定めており、電力事業者に基準を満たすよう求めている。原発の安全性を判断する根幹の不備を認めた形で、安全設計審査指針の改訂は2001年3月以来となる。
 班目委員長は現行指針について、「『送電網が強いから、長時間(の電源喪失を)考えなくてもいい』『非常用ディーゼル発電機も短時間で復旧するからいい』としている」と誤りを指摘。「本来なら想定を上回る津波が来ても、守られなければならないのが多重防護の原則。今回ははっきり穴があった」と説明した。