弁の電源確保、圧力把握困難=1号機ベント遅れを説明—東電
時事通信
2011年5月22日(日)22時23分配信 時事通信 

 東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は22日の記者会見で、東日本大震災翌日に最初に水素爆発を起こした福島第1原発1号機で、原子炉格納容器内の圧力を逃がす「ベント」作業が遅れた理由を改めて説明した。格納容器内の気体を外部に放出する弁を動かすための電源が津波で失われ、バッテリーをつなぐ必要があったという。
 あらかじめ定められた手順書では、同原発1〜5号機の場合、格納容器内の圧力が853キロパスカルに達する前にベント操作を行うことになっていた。しかし、真っ暗な中央制御室で圧力データを把握し続けるのは困難な状況だったという。
 ベント操作が始まったのは3月12日午前10時17分で、実際に弁が開いて圧力が低下したのは同日午後2時半ごろ。格納容器の破裂は避けられたが、冷却水不足で燃料が損傷して大量の水素が発生しており、同3時36分に水素爆発が起きて原子炉建屋上部が吹き飛んだ。