2011/11/06(日)
 正しい判断?:意匠デザインと機能デザイン

 議論のやりとりをして主題の「もの、こと」を練り上げていく。 万有資源の「人、組織」がその力を発揮して、「もの、こと」を工夫して設計することを、一般的な表現で言う「デザイン」と呼びましょう。

 もの、ことを十分に把握して、正しく判断する重要な方法はなんだろう。
①「意匠デザイン」とは、「ものこと」の形状・形態を作り上げる設計・デザインのことです。
②「機能デザイン」とは、「ものこと」の機能・性能を組み上げる設計・デザインのことです。
○「もの・こと」は「意匠デザイン」と「機能デザイン」が両方併せて把握されなければ正しい理解になりません。
○「もの・こと」が物理的なものであろうと、心理的なものであろうと形状・形態があります。
  (空想上の形状でもかまわない)
○「もの・こと」が発現する機能・性能を有効に感じたり、活用したり、被害を受けたり、恩恵を受けたりするわけです。
その両面のデザイン・工夫を同時に感得してはじめて正しい理解となる。

 意匠デザイン・機能デザインの両面必須という概念をもって、会議運営術の話へもどりましょう。
○グループ討議では各人、各組織が目標とする「もの・こと」に対して意見をのべるが、「意匠/機能」デザインを明示するよう意識されるべきだ。
○通常「意匠デザイン」が注目されて、「機能デザイン」は深く吟味されないか、ほとんど考慮されない傾向がある。
○つまり、「意匠デザイン」を見ただけで理解したと勘違いしてしまうケースが多いということだ。
○「機能デザイン」の説明には、専門用語や美辞麗句をふんだんに使い、聴くものを圧倒したり、惑わすものもある。
当然、会議運営には正しく公平で抜かりのない議論が必要だ。 討議準備の段階で「意匠/機能」両デザインの重要性を参加者が十分認識していることが望ましい。

 しかし、現実には残念ながら「意匠、機能の両デザインの具備」を意識する人が少なすぎる。
「もの、ことの理解・把握・判断するための技術」として必須項目と言えるものだが、学校でも職場でも訓練されることがない。
当方は思考実験や哲学練習の実践で必須項目としての意識はできたつもりであるが、正しい判断を即断実行できるほどの修練ができていない。 少なくとも一晩寝てからでないと結論がでないようだ。

 ここまでの記述で「意匠、機能の両デザインの具備」の必要性をご理解いただけるだろうか?
○自動車の意匠デザインと性能デザインの両面具備をねがうことを想像してもよい。
 (未だ自動車は理想に届かない形状・性能に思えるので、アナロジーに適すだろうか?)
○物理学のアナロジー:
 光の性質:粒子(形、意匠デザイン)でもあり、波動(機能デザイン)でもある。 という両面性。
○宗教上のアナロジー:
 もの、こと:色(形状)即是空(機能)、空(機能)即是色(形状)。

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