「梅棹忠夫著作集」を読む
2006/11/21(火)
「梅棹忠夫著作集」の
13巻:「地球時代に生きる」を よみおえて、返却し、
3巻:「生態学研究」を かりだして きました。
○13巻:「地球時代に生きる」の 主題は、政治・経済の 発展に ともない、国際間の 問題が、2国間だけで なく、地球的な つながりの なかで 地球規模で かねあい を さぐる 必要が つよく なって いる という。
○内容の 各文章・講演原稿が 60年代〜70年代に かかれたもの だが、今日的な 視点を 十分に 提供して いる。
○「日本文明はクジラである」の 講演論旨は、「文明の生態史観」を ふまえた さきに、だから といって (西ヨーロッパ文明と 同一の 海に) およぐ 魚では なく、哺乳類の クジラである という たとえばなし。
○大小の 問題 ではない から、「日本文明はイルカである」 という のと おなじこと。
○西洋文明の 尺度で 日本を はかって 差異を あげつらう のでは、解決に ならない。 また、反対側も おなじ。
○西洋文明が もつ 価値体系と、他の 文明が もつ 価値体系は 異質な もの。 そのことを わかった うえで かねあいを さぐる ことが たいせつ。 どちらが よいか、わるいか ではなく、尺度が ちがう。特殊ではなく、ちがうだけ。
○「国家・国民、民族、人種、言語」が 単一な 状態の 国家は ほとんどない。 日本は ほぼ、単一的な 国家で あるが、そのために 国際問題・民族際問題を 多面的な 視点で 考察 しきれない。
○梅棹の 「地球時代」 という のは、一般にいう 「国際化時代」の ことだが、「2国間」で 解決する ことは もはや むずかしい。 「地球規模で影響しあう時代」なのだ ということ。
○「地球時代」にあって 「国家、民族、人種、言語」の 統一方向へ すすむ 可能性は ほとんどない。 問題解決に 戦争する 時代では ないから、互いが 文明・価値観を 積極的に 発信しあう 努力が 大切。
○日本は 鎖国ぐせ があり、何でも 吸収する ブラックホールに なりがちで、日本を 発信する 習慣が ない。
○情報発信の ために 日本語を どう 変形・育成して 地球化(日本人も つかうし、外国人も つかう)する のか。 国際共通語 として エスぺラントの 意味。
○著作集18巻:「日本語と文明」に のべられて いるが、外国人へ 発信したり、外国人が つかったり するための 日本語を はやく 定着させる 必要が ある。(ヘボン式の ローマ字でなく、「訓令式的な ローマ字を つかい」、Tadao Umesao でなく、Umesao Tadao と 記述する 「日本語の ローマ字化」を はやく 導入すべき と)
○世界中の 言語には、・主語+目的語+述語 型言語、 ・主語+述語+目的語 型言語、 ・述語+目的語+主語 型言語
がある(と梅棹は指摘する)。
○以下、わたしの おもいつき。
この 3つの 類型言語の 比較検討を すすめて、類型言語ごとの 共通語を あみだす みちは できるだろうか。
また、言語は つねに あたらしい 単語を うみだす、派生させる 機能が 必要です。 その 派生の 根源が ラテン語や 漢字に ある。うむぅ、概念語彙の 共通箱を もっと 整備 する 必要が ありますね。
○もっとも、地球上には 3000〜4000の 言語が あり、170?の 国家が ある。国家に がんばってもらい、170の 国家言語に しぼった うえで、語彙の 共通箱を 整理して いく しかない のか。
(2006年国連加盟国数:192カ国)


