くもの巣短信箋
2011/05/26(木):原子炉「崩壊熱」は冷却水で!
本日昼過ぎにニュースがあった。
○
:←現場(技術)所長の注水継続の判断は正しいと思う。
東電本社が被災現場と生の本音連絡がまったくできていなかったわけだ。 責められるべきは東電本社だろう。
下記に記述したように原子炉の構造は、ひ弱な性能規格しか適用されていない。
外側の格納容器には「耐熱138℃、耐圧0.7MPa」程度の気密性しか要求されていない。
内側の圧力容器には「耐熱300℃、耐圧8.3MPa」程度の性能要求らしい。
これでは、原子炉が停止した直後の崩壊熱に圧力容器自体だけでは耐えられない。
「どんなことがあっても、炉内に冷却水が必要である」と現場所長が判断して行動することは、必須条件だろう。
おそらく、原子炉を熟知した現場所長なら「どんなことがあっても、炉内に冷却水が必要だ」と行動しただろう。
○「注水中断」を発想する政府側が大きな失態を冒している。 それに左右されてしまう原子力安全・保安院や東電本社側の震災前からの普段の「原子炉の限界把握・理解」がどうだったか、今後の検証の対象となるだろう。
2011/05/25(水):構造論:原発安全の願い
前回の
では、原子力安全委員会が「現在の安全指針」の「明らかな間違い」を委員会として認めて改訂する方針を明言した。
しかし、原子力安全・保安院は未だに「保安監督指針の不備」を認めていない。 大震災後にまとめた各地原発に対する「緊急保安検査事項のアンケート回収整理」だけで、方針がでるのだろうか。
今回は原発構造の疑問点を整理してみた。 前々回の短信箋
の最後尾部分で、原発格納容器の構造について不安を感じると私見を述べた。
そこで、インターネット上でのニュース情報などを調査してみた。
○
:←原子炉構造の説明(格納容器の中に圧力容器:炉心がある)。
歯切れが悪い説明です。格納容器の構造の大部分は耐圧が高そうだが?
○
:←炉心の注水冷却が必須条件です。水掛論をしていても炉心冷却されない!
○
:←格納容器の耐圧:やはり消防ホースの耐圧程度らしい!
○
:←格納容器の耐熱:摂氏138度程度の設計目標らしい!
○
:←古き原子力村・族の因習を忘れて、
現安全委員長だけを責めてもはじまらない。 保安院を厳しく指導しなければ変らない。
○現状の「格納容器の耐圧、耐熱(耐震設計も)設計」があまりにも甘いことに驚くばかりです。
これでは通常の住宅地の火災現場で発生する燃焼熱量・放水圧力などにも耐えられないだろう?
○炉心・圧力容器が緊急時に冷却喪失して沸騰状態になれば、格納容器にも過酷な条件が発生する。
原子力の安全神話とはなんだったのか? 水素爆発の発生自体も格納容器の耐圧・耐熱のもろさが
原因で、漏れて行き建屋上部へ溜って爆発したことになる。(もっとも格納容器内部で爆発しても
困るから、内部で中和する構造にすべきだ)
○そもそも、原子炉全体の耐震設計にも問題があったのが明らかだ。
○
:←畑村洋太郎氏が「事故調査・検証委員会」の委員長に指名された。
大いに期待して、原発の構造面、組織面、避難救済・被爆防止面などの実態解明を待ちたい。
素人ながら原発事故のニュースを見聞きして、思いが募ってしまい、未熟な思考を書き留めました。